2014年10月4日土曜日

BTL仕様 HPA-12 の電源改良

以前、製作したBTL仕様 のHPA-12だが、±8.2Vの電源を外部基板のレギュレータから左右独立で供給していた。HPA-12の基板パターンに従って作ると、非安定化電源の±8.2Vを供給することになるのだが、本機では、リプルの影響を最小限にするため、レギュレータを挟むことにしていた。
10ヶ月程度この構成であったが、音質に大きな不満があった。出力を大きくすると、音が歪むのである。はじめはレギュレータを挟んだことが原因かと思ったのだが、パワーアンプの音質改善に取り組んだ際に、出力段とドライバー段の電源を独立供給することで、聴覚上明らかな違いを感じたことから、HPAに関しても同様の効果があるのではないかと考えた。
そこで、HPA-12の基板の裏面の±8.2V電源パターンを出力段と初段の間で切断し、初段にレギュレータの±8.2V、出力段に非安定の±9Vを供給した。
結果、音量を上げても聴覚上の音の歪が増加せず、自然な音が得られるようになった。更に低域の質感が良くなり、バスドラやスネアの音が生々しくなった。
本機をプリアンプとしてDACとパワーアンプの間に挿入したところ、DACーパワーアンプ直結時よりも、中音域と低音域の質感が格段に向上し、五月蝿さが無くなった。特に大編成のオーケストラが気持よく鳴るようになった。
電源の大切さを痛感した工作となった。

2014年6月21日土曜日

PMC DB1i用 DIYスピーカースタンド(デスク一体型)


fig.1 PMC DB1i用 DIYスピーカースタンド

近所のホームセンターで105×105×2980のホワイトウッド(スプルース・集成材)を半分にカットしたものを、デスクの足に金具と木ねじで固定し、汎用のスピーカー壁掛け金具を用いてスピーカーを設置した。
デスク上にモニタを設置するため、スピーカーを一般的な高さより高くする必要があり、スピーカーは若干下向きに固定されている。
スタンド無しの時より聴感上の音質は向上した。
予てより、デスク上にスピーカーを置くと、作業領域が狭くなるし、机から反射した音が音場を著しく不明瞭にしているような感じがしていたため、スピーカーを高い位置に設置してその影響を軽減することを考えていた。
音屋で扱われている照明用のミニトラス等で組むことも検討したが、価格の高さと、制振するのが大変そうなので、ピアノやギターで使われることもあるスプルースを用いることにした。


fig.2 以前の様子(スタンド無し)

2014年6月7日土曜日

audio-technica ATH-IM50 レビュー

JVC HA-FX700が修理不可能な断線により退役することなったため、次世代インナーイヤーヘッドフォンを導入することにした。

以前にTwitterでコスパ良しと評されていたaudio-technica デュアル・シンフォニックドライバーインナーイヤーモニターヘッドホン ブラック ATH-IM50 BK を購入した。


聴感上音質は、FX700と比べると、低域の歪みが少なく感じられる。逆に中高音域は独特の歪があってベールがかかった感じ。なんとなく、400席程度の映画館の音響システムの音をヘッドフォンで再現してみたようなレベルの音。周波数特性的なバランスは非常に良く、スピーカーのモニターシステムに近い感じで鳴ってくれる。録音のモニターに使っても信頼できそう。

マイナス面もあるが、HA-FX700の代替機種として十分満足できる性能を有していたため、暫くはコレを常用する予定。

2014年5月31日土曜日

IV変換基板(IVC-210)の製作

前回、ユニバーサル基板で作った無帰還IVCを、プリント基板にして、音が良さそうなTO-39のトランジスタで組んでみた。裏面に1608サイズの抵抗を配置して小さくまとめた。基板寸法は、秋月のBタイプに準拠。余白部分は今後、バッファアンプか差動合成アンプを亀の子式に乗っけるつもり。
以前の基板と比較して、聴感上の歪みが少なく無くなり、大人しくなった。その分、細かい音の聞き分けが容易になり、音像の奥行きが増し、立体的となった。
パターン引きで最も注意したことは、回路ループ面積を最小にすること。
一部パターンの引き忘れがあったため、修正が必要。
HPF・LPFの詰めが甘いので、今後、適当なアクティブHPF,LPFを出力に追加することを検討したい。

基板エディタは、KiCAD、製造は、Elecrow。5月18日に発注し、HongkongPostのAirmailを利用し、5月30日に受け取れた。

2014年4月24日木曜日

ONKYO ND-S1000 I2S出力改造(DAC内蔵化)の検討

ONKYO製のiPodデジタルメディアトランスポートであるND-S1000のAudio Serial Dataを取り出して、ESS社のES9023のI2S入力(若しくはLJ)端子に突っ込んで音を聴いてみようとしたところ、ND-S1000の信号がRJ(右詰め)出力であったため、シフトレジスタでLRCKの位相をずらしてあげないといけないことが分かった。




ND-S1000には、SPDIFのドライバーとしてTIのDIT4096が使われており、このSerialAudio入力端子からI2Sを取り出してDACに直接入力しようと考えた。データシートを確認すると、ES9023の対応入力フォーマットはI2SとLJ(左詰め)であった。しかし、オシロでND-S1000のLRCK(SYNC)とSDATAを観察してみると、信号はRJ(右詰め)フォーマットで吐出されていた。右詰め→I2S変換回路をロジックICで組まないといけない。

ND-S1000の筐体にDAC基板を押し込めようと考えていたので、実装をどうするかもう一度考えなおす必要がありそう。

2014年4月22日火曜日

Windows8.1でiPod touchが認識されない時の対処

正常な状態だと、iPodがiTunesに認識された時に上図の赤枠に示したように表示されるが、iTunes ver.11.1.5.5とWindows8.1の組み合わせで、デバイスが認識されないトラブルに遭遇した。
原因は、Windows8.1がiPod touchに対して、不正なデバイスドライバをあててしまうことにある。
対処法は、デバイスマネージャーでiPodと思しきデバイスを探し出し、右クリックメニューからドライバーソフトウェアの更新を選択し、コンピュータを参照してドライバーソフトウェアを検索をクリックする。
ディレクトリに、「C:\Program Files\Common Files\Apple\Mobile Device Support\Drivers」を入力し、次へ。
Apple Mobile Device USB Driverがユニバーサルシリアルバスコントローラーの中に表示されれば、作業完了。

2014年4月21日月曜日

dBuとVrms


0.1mVrmsから1.23mVrmsまでの範囲で実効値を横軸にとり、縦軸に信号レベル(dBu)をとったグラフである。グラフで示すと直感的に分かりやすい。

2014年4月18日金曜日

geek out到着・A級HPA(BTL)の見直し


漸くgeek outが到着した。(2014/4/17)
シリアルは400番台であった。確かsurveyでgreenを選択したつもりだったのだが、届いたのはSilverだった。こちらの記憶違いかも。1000mW出力仕様にしたためか、発熱が非常に大きい。出力インピーダンス0.47Ωのヘッドフォン出力に繋いだATH-W5000の音は大変素晴らしいものだった。これまで聞こえなかった微細な弦の振動が感じられた。

geek outに少し衝撃を受けてしまったので、先日作成したHPAを見直さざるを得なかった。
geek outとの音の違いから、電源レギュレータのパスコンを改善してみた。


TPA7A4700の近傍に数十MHz以下のインピーダンスが小さくなるようにセラコンを組み合わせて並列挿入した。また電解コン(KMG25V470uF)を削除した。
また、グチャグチャだったトランス一次側の電源ラインを整えた。


2014年4月6日日曜日

DACの製作(ES9018 Dual Mono + 無帰還IVC)


お気楽オーディオキット様のDAC9018Dと、Prost様のクロックモジュール基板と、Electrart様のUDA+P2Dを組み合わせて、デジタル部を構成した。クロックは、P2D基板のES9018用MCLK出力をクロックモジュール基板でジッタークリーニングして、DAC9018Dの100MHzクロックのパターン部に直接入力している。I/V変換は、アナログ回路の勉強も兼ねてフェーズテックの特許回路を元に独自に改良し作成したもの(個人・家庭内利用)。一部のトランジスタのPc損失が定格を超えないように、黄色LEDによって電圧を降下させた。出力は平衡出力のみ。左右独立電源レギュレータ、左右独立トランス。デジアナ分離はしていない。
IVCの正負電源は、Prost様のLED両電源基板を使用している。
CLKが最短になるよう基板配置には注意したつもり。
2Uのケースにピッタリ収まるサイズになっている。ケース加工はまた今度。

2014年4月1日火曜日

Light Harmonic社 geek out 発送連絡

待ちに待ったgeek outが発送される模様。KickstarterでBackerになってから早8ヶ月。
どんな音を奏でてくれるのか楽しみ。ちなみに発注したのは、Super-Duper GEEKのGreen。

2014年3月22日土曜日

LAPTを体感(2SC6145A, 2SA2223A)

サンケン電気のLAPTトランジスタ(High frequency multi emitter transistor)をお気楽さんの高精度パワーアンプ基板の出力段に使ってみた。
これまで使っていた東芝の2SC5200,2SA1943(Oランク)を、サンケンの2SC6145A,2SA2223A(Yランク)に変更した。
感覚的には、低域の出方がやや自然になった気がする。
入手先はDigikeyで、ランク違いを避けるため、コンプリ同士の在庫数が同数で、2SC5200とスペックが近い本品を採用。
現在エージング中。

2014年2月13日木曜日

パワーアンプのバランス入力化

入力がRCAだったパワーアンプ(http://stcinemas.blogspot.jp/2012/08/blog-post.html)に600Ω:600Ωのライントランス(TAMURA TK-10)を取り付けて、バランス受け出来るようにした。
2月の頭に、D/AコンバータのI/V段を無帰還・ディスクリートで試作したときに、DACの出力をアンバランスからバランスに変更したため、本改造を行うに至った。


トランス受けにしたことのメリット
    • カップリングコンデンサの削除→PPコン(秋月)を使っていたが、コレの恩恵は絶大
    • これまで、ケース両端にRCAが配置されていたためにGNDループがハムを拾っていたが、差動入力になったことでノイズが聞こえなくなった
トランス受けにしたことのデメリット
    • トランスの周波数特性上、ハイサンプリングのハイレゾの恩恵が受けられないかも
    • パワーアンプの入力インピーダンスが600Ωとなった(600Ω受けを想定していない機器には、プリアンプが必要か)

2014年1月15日水曜日

INPUT SELECTOR(BTL仕様のHPA-12用入力切替器)


BTLヘッドフォンアンプ向けの入力切替器を作成した。
PICマイコン制御で高周波用マイクロリードリレーを駆動し、RCA(アンバランス)入力と、XLR(バランス)入力のどちらか一方を選択し、BTLヘッドフォンアンプの入力へ受け渡す切替器である。
フラットケーブルで繋がれたユニバーサル基板上のLED付きモーメンタリスイッチを操作してRCA入力かXLR入力を選択する。
切り替え時のノイズがヘッドフォンに出力されないように、HPA側の出力リレーを制御するための補助リレーを搭載している(941H-2C-5D)。
電源は、AC6.3V入力で動作し、ヘッドフォンアンプ回路とはトランスで絶縁される。


なお、本投稿より、撮影機材にSIGMA DP2Merrillを使用。